自分が毎日利用している電車は、そんなにラッシュが酷いわけではないんだけど、まあ首都圏路線ゆえそれなりに混雑はするんだ。
朝などは特に始発ではないから座れるなんてことはほとんどなく、当然吊り革ゲットを目指すんだ。
この日も座席前の吊り革に掴まり終点は池袋に向かっていたさ。
混雑がひどくなってくると、対面する吊り革に掴まる人の間にまで人が入ってくるんだけど、当然そこには吊り革がないから、そこに立つ人たちはみな揺れに必死に耐えているわけなんだけど。。。
吊り革掴まるボクの隣りにはリーマンの若人。その彼の背中越しには女の人が背中合わせで立っていた。もちろん通路中央なんで吊り革掴まれずなんだけど。
電車が走って行く中で、ふと気付いた。その女の人がゆらゆらと揺れ出していることに。。。
そして電車が揺れるたびにその頭がボクの隣の若人の背中にコツンコツンと当たっているようだった。
そしてそのうち、電車の揺れではなくその女の人自身の揺れが大きくなっていき、、、
しまいにはその若人の背中にヘッドバットアタックを仕掛けていったのだった。
さすがにその若人も自分の背中の異変に気づき、振り返り、何が起こっているのかを認めたようで、一生懸命敵からのヘッドバットアタックをかわそうとしているんだ。
一体その女の人はナニやってたのかって、、、まあ、言わずもがな。。。
立ち寝
器用なもので、吊り革にもぶら下がらずに、ヤジロベエのようにゆらゆら揺れながら惰眠を貪っているんだな(笑)
だんだん図々しくなっていって、今度は明らかに若人の背中に寄り掛かって寝てるぞこれは。。。
若人もなんとか身を引いたりよじったり抵抗するんだけど、敵の執拗な攻撃から逃れる術はなくなっていたのであった。。。
可哀想な若人よ、みんなの為だ、諦めてひとり餌食になっていておくれ。そうすれば周りがみんな平和なんだ(^^)
そう、その日、無事に終点まで辿り着けたのは、何を隠そう彼のお陰だったのだ。しかし残念ながら、周りの人はそのことに気付いていなかったのであった。
ま、世界平和とは得てしてそんなものであるんだな。
尊い犠牲のもとに成り立っているという縮図をこの電車の中でボクは感じたのであった。
合掌。。。