おっさん's だいありー

主にバイクのこととか、ランニングのこととか、Jリーグ・FC東京のこととか

桜に纏わる思い出、その陰と陽。

また今年も桜の季節がやってきましたね。

桜のつぼみのうごめき一挙手一投足に気もそぞろ??
あぁ、花見だ!酒だ!宴会だ!
やんややんや♪
そろそろ上野の森の場所取り合戦大作戦の準備開始?用意周到抜かりはナシ!

まぁとにもかくにも、ニッポン国民誰もが心待ちにしている サクラ サク。

この桜、私にとってとても大きな思い出が2つあります。
その2つの出来事の因果関係はなにもありませんが、しかしどちらもとても象徴的なことであり、ある意味因果関係があるような。ナンダカ ワカラネー デスヨネ(笑)

丁度5年前。
3月31日。

切迫流産の危険があるということから生まれても大丈夫というリミットまで入院し絶対安静の生活を送っていたうちのオカミサン。あとはいつ出てきてもとりあえず保育器には入らなくて済むという月齢を過ぎたので本人たっての希望により退院しての日常生活。

長男は幼稚園の年長さん。母親に甘えたい盛りの約1ヶ月を別々に生活していたわけで、表立っての本人の変化は見られなかったのですが、やはり精神的に荒んでいたようです。

さて、その日。
朝の身支度の最中、突如。。。「破水した・・・」

それイケー!

身の回りの世話役に自宅詰めのうちのバァさまもろとも病院へ急行しました。
しかし陣痛らしいものが来ないので「ありゃ間違えか??」と思ったのですが、「いや、間違いじゃないから院内で待機していなさーい」と。

なんとも、のほほ~んな時間が流れ、出された昼食をパクパク貪り食い。

するってぇと、キタ━━(゚∀゚)━━━!!!

いきなり、キタ━━(゚∀゚)━━━!!! ようです。

私ら外に追っ払われ、分娩室前の長いすに座ってました。

するとほんの数十分の後にどこからともなく「オギャー」の雄叫び。

長男クン、よほど嬉しかったのか、トイレだかに行っているうちのバァさまの元へ「おばぁーちゃん!生まれたよ~~~!」と廊下中に響き渡る声を張り上げ駈けて行きました。彼なりにお兄ちゃんになることを楽しみにしていたんでしょうね。

母子共に無事で、それぞれにご対面~。
長男クンは感激のあまり涙ぐんでいたという噂(笑)。いつまでもいつまでも物珍しそうに眺め回している姿・・・今でも懐かしく覚えています。

その数日前には桜満開で、世間至るところは桜の桃色で染められていました。
ところがその日は朝から曇り空。しかもやけに真っ白い。

そこの分娩室の開いた窓。

何気にそこから外に目を向けると、、、雪。

真っ白い。

ちらほらと。

窓という「額」の中には、桃色で彩られている桜の木。そこに上からは白い雪がちらちらと。

白と桃のなんともいえない絶妙なコントラスト。

自然が織り成す摩訶不思議。

あの光景は今でも鮮明に胸に焼き付いています。

そしてこの桜は、「誕生」の桜。

◇◆◇

このときからまた一年程が過ぎ、また桜の季節がやってきました。

3月18日。
仲間とのツーリングで私、事故りました。
停車中の車に激突した際に左手を直撃し、左手親指折りました。しかしそのときはそれに気付かず、あっという間にグローブのように腫れ上がっていく左手に耐えながらなんとか自力で帰りました。で、病院行ってギプスぐるぐる巻きですわ。

それから5日後。
満開の桜の木からは桃色の花弁がまるで雪のようにひっきりなしに降りしきっていたのがとても印象的でした。
そんな中、ギプスぐるぐる巻きの手でハンドル握り、車での出社途上で珍しく昔のバイク仲間(奥さん)からの電話。

以下、同時どこぞに書き記してあったものから引用デス。


。。。そして一言二言交わした私は、次にきた彼女の言葉で一瞬にして凍りついたのでした。

 ・・・夕べ、旦那が亡くなりました・・・

 私は頭の中が真っ白になり、あまりに突然のことに何をどう言葉を繋いだらいいのか訳がわからなくなっていました。とにかくその場はお悔やみの言葉を述べて、今後の段取りが決まったら教えてくれるよう頼むのが精一杯でした。

 亡くなった彼も当然バイク乗り。そしてその死因になったのもバイク。
 その日春分の日、ツーリングでの帰り道。仲間と別れ単身家路を急いでいた途上での事です。一言で言ってしまえば典型的な「交差点内での右直事故」だそうです。
 彼女の口からはっきりとは聞き取れなかったのですが、大腿骨骨折と何より胸部強打により心臓の損傷が酷くて「即死」だったそうです・・・。

 式当日、彼を知る仲間は集まりました。久方ぶりに逢う面々。そして久方ぶりに逢う「彼」・・・。しかし「彼」は目を閉じて物言わず、じっと寝ているだけでした。そう、ただ「寝ているだけ」のようでした。今にも目を開けて元気な声で「よっ!久しぶり!」なんて言い出しそうでした。いや、むしろそれを願っていました。しかし残念ながら・・・彼の遺骨を見たとき、その願いが如何に虚しかったかを思い知らされたのでした。

 大好きなバイクに乗って逝ってしまったのだから本望・・・なのか?いや、絶対にそんな事はあるわけがありません。きっといつまでも走っていたかったはずです。どんなに悔しかった事か・・・。悔やんでも悔やみ切れなかったことでしょう。
 そしてその悔しさ、悲しみは残された者にとってはそれ以上の想像を絶するものがあるということをこの歳になって初めて知りました。ご両親、そして一人残された奥さん・・・。悲しみは底無しです。

 私の愛車、こかしてしまった黒い'88年式GSXR750は実は彼から譲り受けたものでした。まだ彼の愛車だった頃からタンクの上には富岡八幡宮の丸い交通安全シールがデカデカと貼られていました。それは彼の奥さんが願いを込めて貼り付けたものでした。私はそれをそのまま譲り受け、先日の事故の時も守ってくれたお陰で、幸い私は生きています。しかし皮肉なもので、本来守られるべき彼は逝ってしまいました

 今、私はギブスが巻かれている自身の左手を複雑な思いで見つめながらこれを書いています。なんにしても、私達の絆であり、愛すべきバイクといつまでも末永く付き合っていくには、自分自身の為、家族の為、そして自分を知る友人知人の為にも月並みではありますが「安全第一」を大命題に掲げてこれからも素晴らしいバイクライフを送っていきましょう。ね、みなさま。

02,3,30付 メルマガbbbより

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/h/hyper_cowboy/20010101/20010101001520.jpg


満開の桜を見ると、この2つの出来事が同時に脳裏に蘇ってきます。

片や、分娩室の窓から目にした、桜と雪のコラボレーション。

片や、告別式にて、暖かい陽射しに照らされた桜吹雪の舞い散るさま。

この世に生まれいずる者。そしてあの世へ旅立つ者。

それを出迎える桜。そして見送る桜。

なんの因果かねぇ・・・。


さて、今年の桜は、どんな気持ちで拝むのだろう??

はてさて。。。