おっさん's だいありー

主にバイクのこととか、ランニングのこととか、Jリーグ・FC東京のこととか

不況にも強いH-D。

 先日TVのニュース番組観ていたらちょろっとオートバイ関連のネタやってま
した。どのメーカーも販売台数軒並み下がり不振に喘いでいる中で、唯一某US
A印のH-D社だけは着実に販売実績伸ばしているとのこと。何故にあんな高額高
級車が売れまくっているのだろう??やはり購入中心年齢層も「高」の世代の方
々のようです。そりゃそうですね。お若い方々はそう易々と手は出ませんって。

 私はそもそも生まれも育ちも生粋のレプリカ党。トップブリッジ上からハンド
ル出てるのは絶対に許せません。そのポジションは、ネイキッドモデルが「殿さ
ま乗り」ならばレプリカはまるで「土下座乗り」。街中を「ごめんなさい~、許
してくだせぇ~<(_ _)>」と車の間を泳いでいます。
 その劣悪なる強制前傾姿勢もなんのその!腰が痛くなろうが背中から肩にかけ
てが凝り固まろうが、これこそ王道。なので気にしない。

 そんな私から見たら、H-D車のどこに一体諸先輩方は楽しみを見出しているの
だろうか??バイクは絶対性能あるのみ!速いのが一番!高性能が偉い!!それ
なのに、どこをとっても高性能とは言い難く(大変失礼さん)・・・そんな偏見の
目で自分とは全く異次元の世界での出来事のように傍観していました、はい、そ
れまでは。

 ところがです。。。
 そのある時を境に少々自分の中の価値観のほんのちょこっと方向性が変わった
ようなそんなきっかけになった出来事が・・・ありました。
 いつものお仲間達とのツーリングのとき、ふとしたきっかけだったのですが、
とあるお仲間の内のお一人が私のポンコツバイクを余程哀れに思ったのでしょう
か(笑)、奇特にもご自身の2台持っているうちの1台乗らんか?とのお申し出に
ついつい食いついてしまいまして・・・。

 1台は、Kawasaki ZX-9R。
 もう1台は、H-D スポーツスター883。

 一見両極端で相反するバイクのような気がしますが、実際にも正反対でした。
 「乗らないと調子悪くなっちゃうから乗ってやっておくれ」とのお言葉に甘え
まして、まずは9Rからいただきまーす♪感覚はさほど違和感なく、感覚的にも
見慣れた感じ。とはいっても私のGSXRとは比べ物にならないくらいの操作性。
全てなにをやるにも軽く感じるこのモンスター。しかしひとたびアクセル捻ると、
まるで脳みそが後頭部から流れ出てしまいそうな錯覚に襲われる様なその圧倒的
な加速感。フルスケール速度メーターの一番端っこまであっという間の出来事で
す。

 さて次に味わうこの両極端ぶり。
 正直アメリカンタイプのバイクに乗るのはまるっきりの初体験(うふっ♪やさし
くしてね~ん はぁと)。最初はそのポジションからしての違和感に凝り固まるの
でした。

 やったらと重いクラッチレバーを「えいやっ!」と握り込み、左足で「うぉり
ゃ!!」ガチャリっと1速に蹴り込み、するするする~っと走り出していきなり
のカルチャーショック??なんともいえないこの感覚。うまく言い表せられませ
んが、こう、下の方からズズズズズ~ンと湧き溢れてくるような、決してパワー
ではないトルク感。シフトを早めに上へ上へと上げていき、あとはトップギア
停車するまで賄えてしまうエンジン特性。
 ドコドコドコドコドコ~~~・・・・=33

 高速道路上で流れていく景色は先ほどまでの9Rのものとは明らかに異質なも
のでした。そう、さっきまでの景色はまるで水彩画の上から水道水でもぶっかけ
て絵の具が流れ出してしまったかのような感じ。溶け出した景色。
 でもこの883の上から目に映るものは木々の葉っぱの一枚一枚の数を数えら
れてしまうような・・・感覚ね、あくまでも感覚ですよ。

 883自体はま~だまだ頑張れる、全然余裕の域なのですが、そんな私が巡航
していた速度は高速道路の制限速度80km/hでした。ゆっくり走っていたのでは
なく、ゆっくりしか走れなかったといった方が適切でした。とにかくそれ以上出
すとバイクから溢れてくるバイブレーション。慣れている人にとってはそれは当
然の産物なのでしょうが、初体験の私にとってはこのものすげ~振動にすっかり
グロッキーでした。バイクのシートの下から突き上げてくるというか揺すり動か
されているというか、なんともお尻がむずむずしてきて、もしこのときお腹の調
子でも悪く緩かったりしていたら、下手したら・・・(爆)

 こんな話を聞かされては、高速走行ではさぞかしスピードも出せずフラストレ
ーションが溜まったことだろうと思うでしょうが、ところがところが、むしろそ
の逆だったかもしれません。ゆ~っくり走ることの楽しさというものを知ったと
いうか、今まで感じたことのなかったようなバイクとの対話やら一体感・共有感
といったものをとても身近に感じつつ走ることができた貴重な体験でした。
 なるほど、バイクにはこういう世界もあるんだな~とかなり漠然ではありまし
たがそんなふうに感じたのでした。そしてついでにこう思ったのでした。

 「自分もジジィになったらコレ行こうかな・・・」なんてね(笑)

 ちなみに、883の名誉の為に一応念押しさせていただきますが、性能的には
むしろそんじょそこらのバイクに比べて引けをとるところは全くありません。そ
の強烈な振動に負けたのは私が単にへタレだったからに過ぎません。だからその
とき883はきっと「おいおい、こんなんで弱音吐いてるんかよ~?!まだまだ
ミーたちのワールドへ足を踏み入れるなんぞできね~な。おととい来やがれ!」
なんて思っていたことでしょう(笑)。

 ヨイヨイになってそんなH-Dの強烈振動と私の身体の震えがシンクロするよう
になったころ彼らに乗れば苦痛にならないかも~と思ったりする今日この頃です
(笑)。
 とか言いながら今でも相変わらず私は街中で、、、
 「ごめんなさい~、許してくだせぇ~<(_ _)>」と車の間を泳いでいますけどね。